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僕がスゴいと思ったWebディレクターの特徴3選

僕がスゴいと思ったWebディレクターの特徴3選

Web制作の現場で「この人、スゴい!」と心から思ったディレクターの共通点を紹介します。ディレクションスキルや知識以上に、プロジェクトの成否を左右する「ビジネスパーソンとしてのOS力」を感じた経験を元にまとめました。Webディレクターとしてどんなポジショニングで差別化を図るのか?という部分で参考になれば嬉しいです。

特徴1:クライアントのビジネスや立場を多角的に理解する

クライアントが「何を作りたいか」ではなく、「なぜ作りたいのか」を最初に掘り下げて考えられる人は本当にスゴいです。

サイトをどう作るかではなく、マーケティングの視点から「そもそも何を目指しているのか?」という話ができる。クライアントの担当者ごとにゴールや見ているポイントが違うことが多いですが、そうした立場の違いを察知して視点を変えながら会話できる人は頼りになります。

例えば、

  • 数年先をみている経営層
  • 事業全体の売上拡大がKPIの上長
  • 数字をあげなければならない現場担当
  • 自分の評価を再優先にする人

など、それぞれの思惑を理解しながらも共通のビジネスゴールを描き、話を進められるディレクターはとにかく強いと感じます。クライアントのビジネスをちゃんと理解した上で、いろんなレイヤーの方の言語で話ができるディレクターは尊敬します。

McKinseyのレポートでも「ディレクターやPMに求められる最重要要素は、クライアントのビジネス理解に基づく提案力と意思決定支援力」とされています。これはどんな時代でも変わらない価値だと感じます。

特徴2:やるべきことを判断し、やらないことをちゃんと言える

仕事をいただけるのはとても有り難いですが、やっても意味がないと思う施策も正直あります。スゴいディレクターは目の前の仕事をそのまま受けるのではなく、プロジェクトの目的に沿わないことは「やらないほうが良い」と言える勇気を持っています。

そのためにもまるでクライアントの社長になったつもりで、リソース(人・お金・時間)をどこに集中させるかを俯瞰して考える必要があります。やるべきことはやるけど、「今やる必要がないこと」「フェーズが違うこと」を整理し、クライアントと一緒に優先順位を考えられるディレクターはとても心強いです。

例えば、

  • クライアントの希望を丸のみせず「その施策は今の段階では意味がない」とはっきり伝えられる(伝え方に配慮はいります)
  • なぜ意味がないのかのエビデンスをしっかりと説明する
  • 目的達成に直結する部分を見極めてリソースを集中させる遂行力
  • スケジュールや予算感を含めた全体の流れを俯瞰し、「今」じゃなくて「次にやる」と説明をする

などこういった行動がとれるディレクターはまさにディレクション(方向づけ)という責務を全うしているのではないでしょうか。

IDCの調査によると、2025年までに世界のデジタルデータ量は2018年比で5倍以上になると予測されています。情報が爆発する中で「やらないこと」を選ぶ重要性は、ますます高まっていると思います。

特徴3:なんかわからんけど仕事を取ってくる

これを言ってしまうと元も子もないのですが、技術や提案力だけじゃなく、キャラクターで「なんか相談したくなる」「次も一緒に仕事したいな」と思わせてしまうディレクターは最強です。

過去に採用させてもらった未経験のディレクターさん。営業あがりでWebの知識は浅いけど、なぜか次々に仕事の相談が舞い込む光景を何度も見たことがあります。ミスもあるし提案も決して強くないのに、「またお願いしたい」と思わせてしまう人。こういう「キャラクターで仕事を呼び込む力」を持った人は、一番スゴいんじゃないかと思うくらいです。

誤解を恐れずに言えば、ディレクターは極論「キャラ」です(笑)

過去のメンバーの特徴を思い出すと

  • いつも明るく気持ちの良い空気を発信している
  • 誰かのことを悪く言ったりすることはなく、いつも誰かのことを考えている
  • かなりの天然さんでよく笑かしてくれる

こうやって整理すると、どこがいいねん!という声が聞こえてきそうですが、やっぱり誰と仕事をするか?という観点では、人間性が最重要であり、気持ちよく仕事ができるかが全てなのかもしれません。

Forbes誌でも「デジタル制作において単純な技術力はコモディティ化し、人間関係や共感力こそが差別化要素」と言われています。AIやノーコードで技術ハードルが下がる今だからこそ、人間的な魅力が大事だと感じます。

最後に:スキルは武器ではなく手段

クリエイティブディレクションができるのも、技術に詳しいのもスゴい。でもそれらはすべて「手段」でしかないですよね。自分の得意分野を案件に無理やり当てはめるのではなく、「そもそも何が目的で、いま何をすべきか?」をクライアントと一緒に考え、目的に合わせてスキルを使い分けられる柔軟さこそが、最強のディレクターの条件だと思っています。自分ができないなら最適な人を連れてくることもディレクターの仕事かなと。

今回挙げたのは「ディレクターはこうあるべき」という正解ではなく、あくまで僕が現場で「この人はスゴかったな」と思った特徴たちです。Webディレクターとしてどんなポジションをとっていくのか?という戦略の参考になれば嬉しいです。

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