こんにちは。Webデザイナーのなつみーぬです。
わたしは本が好きで、ビジネス書から技術書まで年間100冊以上を読んでいるのですが、今年の読書を振り返ってみて、「今年のベスト」だと確信できる一冊に出会いました。
それが今回ご紹介する、『デザイナーのビジネススキル ――キャリア5年目からの「壁」の越え方』(著:大崎 優 氏/CONCENT)です。
Web制作の現場では、日々「より良いデザイン」を追求していますが、キャリアを重ねるにつれ、「作る力」だけでは解決できない課題に直面することが増えてきます。 この本は、そんな「5年目の壁」を感じているデザイナーはもちろん、プロジェクトに関わるすべての人にとって、視座を高めるための道しるべとなる内容でした。
わたしの読書メモとしてまとめたグラフィックレポート(グラレポ)とともに、特に心に刺さったポイントをシェアします。

1. 「依頼を待つ」から「仕事を作る」へ
本書で最もハッとさせられたのは、「『デザインが必要だ』とポジティブな目を向けられた環境での仕事を脱し、仕事を作る」という視点です。
通常、わたしたちはクライアントからの依頼があって初めて動き出します。しかし、生成AIやツールの進化で「デザインの民主化」が進む今、デザイナー自身がビジネスの視点を持ち、依頼がなくても自走して利益を生み出すプロジェクトを企画できる力が求められています。
「誰かに必要とされるのを待つ」のではなく、「自らが価値の起点になる」。このマインドセットの転換こそが、これからのデザイナーの生存戦略だと感じました。
2. コミュニケーションは「デザインスキル」の一部
「いいデザインを作れば伝わる」というのは、作り手の思い込みかもしれません。著者は「コミュニケーションの技術はデザインスキルの一部」と断言しています。
特に重要だと感じたのは以下の点です。
判断の所在を明確にする
今している会話は、自分が責任を持って「判断」するためのものなのか、相手に「判断」を委ねるものなのか。あるいは単に「意見」を求めているのか。ここを曖昧にしないことが、悪いコミュニケーション(手戻りや認識齟齬)を防ぐ第一歩になります。
一次情報に触れること
社内で影響力を持つためには、誰かから聞いた話ではなく、直接お客様と対話して得た「一次情報」が必要です。「なぜ自社がそれを手がけるのか」を語れるデザイナーは強いです。
3. デザイナーは「被弾」する立場である
個人的に最も救われたのが、「デザイナーは被弾する立場である」という言葉です。
デザイナーは最終的なアウトプット(目に見える形)を出す役割です。だからこそ、どんなに優れたものを作っても、それをさらに良くするための「意見」や「指摘」を一身に浴びることになります。
これを「攻撃された」「否定された」と受け取ると辛くなりますが、「アウトプットする立場だから当然のこと」と捉え直すことで、心が軽くなります。 「事実確認と態度表明を分ける」「ひとつひとつの問いに深読みしすぎない」。このメンタルコントロールもまた、プロのスキルなのだと痛感しました。
4. インプットの解像度を上げる
闇雲に情報を集めるのではなく、目的を意識したインプットの重要性についても触れられています。
- 今の仕事の成果を上げるためか?
- 自身のデザインスキルを深めるためか?
- あるいはスキルを変化・拡張させるためか?
この目的意識がないと、時間はいくらあっても足りません。
また、「社内勉強会の講師になるのが最も効率的なインプット」というハックも紹介されています。 わたし自身、社内で勉強会を主催することがありますが、人に教えるために情報を整理する過程が、結果として自分自身の理解度を深めるのに役立っていると感じます。
インプットに行き詰まっている方は、あえて「アウトプットする場(講師役)」を先に作ってしまうのも手だと改めて確信しました。
さいごに
Web制作会社であるわたしたちにとって、「ビジネススキル」とは単なる「デザインを売るための営業トーク」ではありません。 それは、デザインの力を最大限に活かして「クライアントのビジネスをどう成功させるか」を計画し、それを確実に実現していくための基礎となる力です。
本書は、実務に即した内容でありながら視座を高く引き上げてくれます。わたしにとっては、これからの指針となるような一冊でした。 手を動かすことから一歩踏み出し、その先の「価値を生む」ステップに進みたい方には、ぜひ読んでいただきたいです。
今回は、私が特に心を動かされた「マインド面」を中心にお話ししましたが、本書には現場ですぐに活かせる「具体的なスキル」も数多く紹介されています。 思考の土台が整ったら、次はどう動くか。 次回の記事では、今回の内容を現実に落とし込むための「明日から使える具体的なアクション」について、もう少し実務に寄った視点で掘り下げてみたいと思います。
▼デザイナーのビジネススキル(書籍リンク)
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798190624




